リンパ浮腫外来

リンパ浮腫とは

何らかの理由でリンパ液の流れが滞り、腕や脚、そのほかの部分にふくらみがあらわれるというものです。乳がん・子宮がん・卵巣がん・大腸がん・前立腺がんの手術で、リンパ節を切除した後に起こりやすく、放射線治療のあとにもみられることもあります。
リンパ浮腫は発症すると完治することは難しく、セルフケアを続けることが重要です。
リンパ浮腫で日常生活に支障がある方、リンパドレナージの指導または施術を受けたい方にリンパ浮腫療法士が対応をします。

リンパ浮腫の症状

  • 腕や脚が重く感じたりだるい感じがする
  • 違和感がある
  • 腕や脚を思うように動かせない
  • 指輪・腕時計・衣類の袖口がややきつい気がする
  • 疲れやすい

がん治療後、又はがん治療中リンパ浮腫が発症し、重症化すると「むくみが酷くなる」「皮膚からリンパ液が漏れる(リンパ漏)」「皮膚が硬く分厚くなる(象皮病)」「皮膚が熱をもって赤く腫れる(蜂窩織炎)」といったことが起こる可能性があります。
違和感があれば出来るだけ早く受診することが大切です。

当院で行うリンパ浮腫の
治療について

  • リンパ浮腫療法士の資格を持った看護師がケアや指導を行います

    まずは、医師による基礎疾患の現況・皮膚疾患の有無・禁忌事項の有無の確認を行い、全体的な治療内容を構成します。その後リンパ浮腫の資格を持つ看護師がケアを担当させていただきます。

  • 対象疾患

    乳がん、子宮がん、前立腺がんの治療中・治療後に生じた二次的なリンパ浮腫

  • 受診内容

    <完全予約制>
    初診の方は、初めに医師の診察を受けリンパ浮腫外来の予約を取ります。

    月曜・水曜・金曜:14時~(時間は相談可)

  • 施術時間

    初回:2時間未満(セルフケアマッサージの手技の説明を含む)
    2回目以降:1時間30分程度

ケア内容

  • セルフケア指導

    ご自宅で安心してセルフケアを行えるように、治療を開始する初めの段階でリンパ浮腫療法士により、無理のないケアをご提案します。

  • 医療徒手リンパドレナージ

    手や足にうっ滞したリンパを排除する目的で柔らかい刺激のマッサージをすることにより適切な方向に誘導する方法です。

  • 圧迫療法(包帯での圧迫法)

    しめる圧の力を調整できる弾性包帯とよばれる包帯を浮腫のある手や足に巻いたり、圧の強い専用のストッキング、スリーブ(腕や足の一部をカバーする着衣)、グローブなどの「弾性着衣」で圧迫し、リンパ液の流れを改善していきます。

  • スキンケア

    皮膚を清潔に保ち、湿潤環境を保つスキンケアを行います。

  • 日常生活の指導

    毎日ご自宅で取り組んでいただける、無理のない生活改善の方法をご提案します。

  • 弾性着衣の採寸と紹介

    弾性ストッキングなどに関する正しいサイズの採寸やご紹介をいたします。

治療費用について

上肢 5,500円(税込)
下肢 7,000円(税込)

※弾性ストッキングや弾性スリーブなどの弾性着衣は、疾病の種類によって療養費の支給対象となるケースもあります。詳細はリンパ浮腫外来にお越しいただいた際にわかりやすくお話ししています。

看護師紹介

  • 看護師(リンパ浮腫療法士)

    Machiko Kitada

    「リンパ浮腫外来の予約がなかなか取れない」とか「リンパ浮腫のケアを受けたいが、手術をした病院でしか受けることが出来ない」など、ケアを受けたくても受けることが出来ない話を多く聞きます。リンパ浮腫に苦しむ方が増える一方で、施術を受けることが出来る施設は十分ではありません。少しでもお役に立ちたいとの思いで、令和2年12月からリンパ浮腫外来を立ち上げました。患者様が安心して安全に、効果的なケアを受けられるよう心がけています。
    また、患者様一人一人の生活環境などを考慮しながらケアを提供し、ご本人のみでなくご家族の方も上手くリンパ浮腫と付き合っていけるよう、お手伝いさせていただいております。
    リンパ浮腫に関する事で少しでも悩みや不安な事がありましたら、何でもご相談いただければと思います。